ミチコオノ日記

美術部 書道部の部長の日記

第13話 オノ と ジン

わたしの名前は
オノミチコ

 

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西村さんは

リストバンドをわたしにくれた

 

私は校庭に出たついでに
ジンくんの所に向かった

 

場所は校舎の裏

非常階段の1番下

 

正確にはその更に裏

 

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 ジン君は毎年  文化祭の時

ここで   やって来た 生徒を相手に
一対一で   お話しをしている

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國分 仁
両親がヒッピーで
一輪車で買い物に行く様な人達
家は一週間の献立が決まっていて
テレビがない  
当然 ジン君も   一風変わっている

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こんな所で 寄席みたいな事してるのも

そのせいかもしれない

 

ジン君はわたしが来たのを見て
お馴染みのボードを出した

 

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「‥やっぱり今年もカテゴリーの

説明は無し?」

 

「ルールだから」

 

 

「腕は平気?」

 

「痒い」

 

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ジン君は何故かよく骨折している
たしか去年も骨折していた

 

去年は宿泊学習  今年は体育祭の練習の時
本人は「時期だろう」と言っている

 

見たら落書きがされていた

誰がしたかは だいたい検討がついた

 

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「① は今日 誰か聞いた?」

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「企業秘密」

 

ジン君は去年の夏頃テニス部の
小嶋さんに恋をした

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そして長い片想いの末

この前 フラれた

 

わたしは去年のボードを思い出した 

今ならあの浮かれていた時に

書かれただろうカテゴリーは

全て解る

 

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①小嶋さんの事
②小嶋さんが好きなマンガに出て来る詩
③小嶋さんが好きなバンドの曲
④小嶋さんが好きな小説

で間違い無いだろう

 

 

とすると今年 小嶋さんネタっぽく無いのは

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「③で」

 

「オノさんは当たりを引きました
これは自信作です
タイトルは‥」

 

‥ デンジャーデンジャーがタイトルじゃ

ないのか?

 

 

「わたしを離さないで」

 

 

‥なんか 今朝 それテレビで聞いたし

 

 

ジン君が始めた話はこんな話だった

 

団地の公園で双子の姉妹が遊んでいる

 

 

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他に人が居なく 静かである

 

双子は鉄棒で遊んでいた

 

 

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そのうち妹が テレビで見た これを

 

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やってみたいと思った

 

すると 出来てしまった

 

 

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しかも座れた

 

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姉が驚いて見ていたら

 

妹の表情が固まっている

 

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理由は手が離せたからだ

 

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姉は自分でもやってみた

 

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出来た

 

 

実ここからが問題だった

 

戻れないのである

 

お互い重力が下にかかる

 

つまり地面は巨大な壁に変わってしまった

 

じゃあ どこが地面になるのか

 

ジン君はもう一枚のボードに描いて
状況を説明してくれた

 

つまりこうだ

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2人はものすごい高さの壁からでた

一本の鉄の棒に座っている事になってしまった

 

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2人は助けてと 叫んだが
だれも来ない

 

だんだんお尻が痛くなるし
バランスが悪くなってきて
フラフラしてくる

 

このままだとお互い 足の下にある団地に


落っこちてしまう


2人は一生懸命考えた結果


あそこの建物の間に行く事にした

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あそこなら
高さがあまり無く
広い地面がある

 

 

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そこで待っていれば
誰か助けてくれるはず

 

あとはあそこ迄行く方法だ

 

2人が取った作戦は お互いの

足の裏を合わせて

 

2人の足が お互いの地面に
なって歩く方法だった

 

 

恐る恐るやってみた

 

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足を出すタイミングがズレたらお終い

 

2人は極限に集中していた

 

 

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一歩

 

一歩

 

 

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一歩

 

一歩

 

 

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自分と全く同じ体重が
自分にかかる


お互いが 自分1人になった感じがした

 

 

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2人は無事 建物の間迄来て

 

 

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1人が向きを変え

 

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 ズレた瞬間に手を握り合った

 

 

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「もう わたしを離していいよ」

 

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そして2人は無事着地した

 

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話はこれだけだった

 

一切の質問も ジン君は

受け付け無かった

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 わたしはリストバンドを握り締めていた

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話が 終わった  ジン君は

 

何故か少し寂しそうに 見えた

 

 

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そうか

もう来年はジン君の話
聞けないんだ

 

ジン君もここを

居なくなるの

 

寂しいのかな

 

 わたしの 勝手な想像だ

 

 

わたしは急に心細くなって マジックを借りて
ジン君の三角巾に名前を書いた

 

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空いてるスペースがそこしかなかった

 

 

それから 交換条件である
わたしの 話を始めた

 

 

「わたしの名前は
オノミチコ‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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